著者
黒河 昌起 山本 健
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.412, pp.5-7, 2014-01-27

超音波が微生物の破壊に用いられることはよく知られているが,その機構は未解明な点が多い.本研究では,微細生物であるChaetoceros calcitrans, Chaetoceros gracilis及びNannochloropsis sp.の懸濁液に,周波数が20kHz,400kHz,1.0MHz,2.2MHz,3.3MHz及び4.3MHzの超音波を照射することにより,破壊効率が周波数に依存することが分かった.Chaetoceros calcitrans, Chaetoceros gracilis及びNannochloropsis sp.の超音波処理で,最も高効率を示した周波数はそれぞれ3.3MHz,2.2MHz及び4.3MHzであった.微生物破壊の周波数依存性は,微生物細胞と超音波によるキャビテーション気泡の物理的な相互作用に起因すると考える.
著者
大月 龍 前田 新一 石井 信
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.500, pp.275-280, 2014-03-17

近年、囲碁をプレイする人工知能エージェントにおいてUCT探索に基づく先読みアルゴリズムの有効性が示され、注目を集めている。本研究では、ぷよぷよの大連鎖を目的として、UCT探索に基づく新しい先読みアルゴリズムを提案する。ぷよぷよは、落下型パズルゲームの一種であり、落下してくるピースを操作して大連鎖を構築するが、将来どんなピースが落下してくるかを事前に知ることがで.きない。このような場に晒されていない情報が存在する不完全情報ゲームでは、その隠れた情報のために多くの可能性を考慮する必要が生じ、先読みを困難にする。提案するアルゴリズムでは、自分が選択可能な手と場から確率的に与えられる手を区別し、その区別をもとにした探索と評価値の更新を行う。これにより、ぷよぷよのような不完全情報ゲームにおいても、限られた計算時間内に、大連鎖を実現するような効率的な先読みが可能であることを示す。
著者
河野 憲之 柳井 啓司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.230, pp.59-64, 2013-10-03

多くの人々がTwitter を利用するようになり,大量に投稿されたツイートを通して人々の行動や考えを分析することが可能となった.ツイートには画像が付与されたものも多く,特に昼食時,夕食時には,食事の画像が大量にツイートされる.そこで,本稿では2011年5月から2013年8月の2年4ヶ月の間に収集した約10億件の画像付きツイートに対して,食事キーワード検索と高速食事画像認識エンジンを用いて,100種類の食事画像を抽出する実験を行った結果を報告する.実験では,食事画像ランキング,一部の食事カテゴリについてサンプリングによる抽出精度評価,また位置情報食事画像ツイートを用いた「ラーメン」と「カレー」に関する地域分布の分析を行った.またさらに,我々が構築した100種類の食事画像データセットを自動的に拡張するためのフレームワークについても述べる.100 類食事画像データを利用して構築した食事画像判定エンジンと,Amazon Mechanical Turk を利用したクラウドソーシングを用いて,キーワードを与えるのみで,自動的に新しい食事カテゴリのバウンディングBOX付きの画像データセットを構築する.実験では,手動で作成した既存の食事画像データセットのサブセットとの認識精度の比較を行う.
著者
揖斐 拓人 中川 匡弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.222, pp.119-124, 2013-09-24

咀嚼という行為には脳を活性化する働きがあるとされている.本研究では,ガムを咀嚼することがヒトの集中力にどのような効果があるのかについて実験,検討を行った.実験タスクとして,集中力が関係するであろう4つのタスクを行った.『集中』の評価には,脳波のフラクタル性を用いた感性解析を用い,また,独立成分分析によって測定した脳波に含まれる咀嚼による筋電の除去を試みた.結果として,咀嚼していない状態を基準とした場合,ガム咀嚼時には『集中』が約38%程度上昇することが示された.
著者
吉浦 裕
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.415, pp.21-26, 2014-01-27

ソーシャルネットワークの利用が拡大する一方,様々なプライバシー問題が起こる場にもなっている.本稿では,ソーシャルネットワークのプライバシー保護に向けて,多数の発言の中から注日者の発言を特定する技術,投稿文から個人情報の漏洩を検知する技術,顔画像から個人が特定される確率を制御可能な匿名化技術を紹介する.
著者
揖斐 拓人 中川 匡弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.223, pp.119-124, 2013-09-24

咀嚼という行為には脳を活性化する働きがあるとされている.本研究では,ガムを咀嚼することがヒトの集中力にどのような効果があるのかについて実験,検討を行った.実験タスクとして,集中力が関係するであろう4つのタスクを行った.『集中』の評価には,脳波のフラクタル性を用いた感性解析を用い,また,独立成分分析によって測定した脳波に含まれる咀嚼による筋電の除去を試みた.結果として,咀嚼していない状態を基準とした場合,ガム咀嚼時には『集中』が約38%程度上昇することが示された.
著者
和嶋 雄一郎 鷲田 祐一 植田 一博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.68, pp.277-282, 2014-05-29

文系と理系という区別は,学業上の人工的な区別でしかなく,人間行動にとって特に重要な意味はないと考えられがちである.事実,日本以外の国々,特に欧米諸国では,広く受け入れられている概念とは言いにくい.しかしながら先行研究では,文系と理系の違いが社会行動に影響を及ぼす可能性がアンケート調査によって示唆されている.そこで本研究では学部4年生と大学院生を対象として,文系と理系の違いが「情報技術やサービスに関するアイデア生成」という創造的思考に影響しているのかどうかを実験的に調査した.その結果,理系からのアイデアを受けた文系がより創造的なアイデアを出すなど,文系・理系の違いと創造性との関係が示唆された.
著者
山田 太雅 棟方 渚 小野 哲雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.73, pp.27-32, 2014-06-06

近年,gimpに代表されるようなペイントソフトウェアの開発が盛んに行われている.その一方で,作画技術の向上や,ユーザのモチベーション維持を目的とした支援システムについては,あまり研究が進められていない.そこで,ユーザの模写技術向上を目的とした支援システムに着目した.支援システムを作成するにあたり,必要となる特徴量の抽出方法を2つ提案する.2つの抽出法についてそれぞれ精度実験を行い,アルゴリズムの利点や欠点を見つけることができた.
著者
谷沢 智史 中川 晋吾 金指 文明 西村 一彦 長久 勝 横山 重俊 吉岡 信和
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.492, pp.161-165, 2014-03-13

国立情報学研究所では仮想マシン貸し出し型のプライベートクラウドedubase Cloudや,物理マシン貸し出し型のプラィベートクラウドの開発,運用を行なっており,さらに,新たにインタークラウド基盤プロトタイプの開発を行い,試験運用を開始している.我々はクラウド運用を効率化するため,編集可能な広大な「マップ」アプローチを提案し,実運用に適用した.この適用事例について報告し,よりよいマップを作るための支援機構について提案する.
著者
五十嵐 由夏 大森 馨子 和氣 洋美 厳島 行雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.283, pp.91-96, 2013-11-09

近年,都市部の交通機関を利用する者にとって"痴漢"は避けられない問題となっており,多くの人が痴漢被害や冤罪被害に巻き込まれる不安を抱えているという.そこで本研究では,都内近郊の大学に通う男女137名を対象に質問紙調査を実施し,混雑した交通機関内で生じうる様々な身体接触状況に対する不快感と,各状況が痴漢行為だと思うかどうかについて尋ねた.その結果,身体接触そのものが全般的に不快であり,痴漢だと判断されやすい行為は概ね不快な行為でもあることが確認された.一方で,痴漢であると判断されやすい状況に,混雑した車内で偶発的に生じうるものが数多くあることも明らかとなり,冤罪被害が発生する可能性の高さも示唆された.
著者
西村 綾乃 椎尾 一郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.38, pp.193-198, 2013-05-16

家事などの日常的な仕事は単調でつまらない作業,いわゆるルーティンワークになりがちである.また,今日では,音楽情報処理の技術が発達し,携帯プレーヤーで音楽を再生するだけでなく,ソフトウェアを利用することで歌詞とメロディをコンピュータに歌わせることも可能となった.そこで,本稿では位置情報や家電 (掃除機,冷蔵庫,電子レンジ,食洗機など) に取り付けたセンサ及びネット (SNS,天気予報,webニュースなど) から取得したユーザーの状況 (コンテクスト:Context) に合わせた歌詞とメロディを自動的に作成しリアルタイムに VOCALOID に歌わせることで,生活に彩りを与えるシステムを提案し,その実装を行った.